イラストレーター・絵本作家の沢田としきさんが難病の病棟に入院している患者さんたちやスタッフ、ボランティアと一緒に病棟をつなぐ二階廊下の壁に壁画を描いた。また、待合室の柱部分にも草花の壁画を描いた。
【施行 2006年】
1959年 青森県生まれ。
阿佐ヶ谷美術専門学校ビジュアルデザイン科卒業。
1979年より『ガロ』などに漫画作品を発表。
1981〜84年 デザイン会社 K2 勤務を経て独立。
その後、イラストレーター、絵本作家、ステージ美術など幅広く活躍。
創作絵本『アフリカの音』(講談社) で '96日本絵本賞、絵本『てではなそう きらきら』(佐藤慶子 文/小学館) で第8回日本絵本賞読者賞、絵本『ピリカ、おかあさんへの旅』(越智典子 文/福音館書店) で'07児童福祉文化賞受賞。
難病といわれる筋ジストロフィーの患者さんが数多く入院している療養所。
その患者さんのほとんどが、ここで人生を終えると聞く。
病室と通路の置くにある養護学校への往復が彼らの生活の全てであり、社会でもある。
電気をつけても、なお薄暗い通路に何かが必要、という要望により実現した。
この通路が全世界であれば、この壁面には多くの事がらを感じ取れる景色がいると考え、テーマを「観光」にした。
具象ではあるが、心理的には抽象的なイラストが日々の状態によって異なる心の中の景色を作っていく。
この絵がアートの力として、彼らの気持ちの中の「無意識」に働きかけ、人間として強く生きるという意識につながっていることを願っている。
また、新人看護士たちにとっても厳しい現実の中で「がんばれる!」という気持ちでこの通路を利用する。
患者のみならず関わる者たちにとって、院内の思い空気の晴れ間となる場所でありたいと願っている。
【施行】2002年
1968 広島県竹原生まれ