中国電力(株)のグループである中電病院では、以前より計画されていた壁面のリニューアルを単なる張り替え工事で終わらせずに、これを機会にすでに東大附属病院などでアートワークの実績を持つイラストレーター黒田征太郎氏を起用し、広島において本格的なホスピタルアートの展開を提案した。
壁面を中心として左右の通路と1〜9階までのエレベーターフロア、手術室の家族待合室などに、計86枚の黒田氏の作品を展示。
人々が顔をあげ、ゆっくりと歩む姿は院内の足どりではなく、むしろ美術館に近いものがある。
【施行 2002〜2004年】
画家・イラストレーター。
1939年大阪府生まれ。現在、ニューヨーク在住。1969年,長友啓典氏(グラフィックデザイナー)とK2設立後、国内・海外で、ライブペインティング・壁画制作等、幅広いアーティスト活動を行っている。
中電病院内の壁面イラストを依頼したことが縁で、黒田征太郎氏の絵本『水の記憶』の企画も手掛けることに。
出版社: アートン
水はすべての命の源。体が乾いたときは水を飲む。心がカラカラになったときも水を飲む-。黒田征太郎自らの、水をめぐる大切な記憶の数々。絵と言葉で熱く語りかける、心を癒す「水のある暮らし」へのアンソロジー。